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平成29年海事代理士試験 船舶安全法の解説

注:執筆当時の法令に基づくものです。法改正の影響については各自ご確認ください。

1.次の船舶検査に関する文を読み、以下の問い(1)~(2)に答えよ。(9点)

船舶安全法第五条は、[船舶所有者]に対して、第二条第一項各号に掲げる事項に関する船舶検査の受検を課している。
船舶検査の種類は、第五条第一項の各号に記載されている。例えば、[臨時]検査は、第二条第一項各号に掲げる事項または無線電信等について国土交通省令で定める改造または修理を行おうとするとき、第九条第一項の規定により定める[満載喫水線]の位置または [船舶検査証書]に記載された条件の変更を行おうとするとき、その他国土交通省令で定める場合に、[臨時]検査の受検を課している。

船舶安全法第九条によると、[船舶検査証書]の有効期間は、5年間とされているが、旅客船を除き[平水]区域を航行する船舶又は小型船舶のうち国土交通省令で定めるものについては、[6]年間とされる。


(1) に入る適切な語句(船舶安全法で使用されているものに限る)又は数字を解答欄に記入せよ。(6点)

→ 根拠法令は,法5条及び10条1項。問題文2段落目の9条は,10条の誤りでは・・・?

(5条) 船舶所有者ハ第二条第一項ノ規定ノ適用アル船舶ニ付同項各号ニ掲グル事項、第三条ノ船舶ニ付満載吃水線、前条第一項ノ規定ノ適用アル船舶ニ付無線電信等ニ関シ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ左ノ区別ニ依ル検査ヲ受クベシ
一 初メテ航行ノ用ニ供スルトキ又ハ第十条ニ規定スル有効期間満了シタルトキ行フ精密ナル検査(定期検査)
二 定期検査ト定期検査トノ中間ニ於テ国土交通省令ノ定ムル時期ニ行フ簡易ナル検査(中間検査)
三 第二条第一項各号ニ掲グル事項又ハ無線電信等ニ付国土交通省令ヲ以テ定ムル改造又ハ修理ヲ行フトキ、第九条第一項ノ規定ニ依リ定メラレタル満載吃水線ノ位置又ハ船舶検査証書ニ記載シタル条件ノ変更ヲ受ケントスルトキ其ノ他国土交通省令ノ定ムルトキ行フ検査(臨時検査)
四 船舶検査証書ヲ受有セザル船舶ヲ臨時ニ航行ノ用ニ供スルトキ行フ検査(臨時航行検査)
五 前各号ノ外一定ノ範囲ノ船舶ニ付第二条第一項ノ国土交通省令又ハ国土交通省令・農林水産省令ニ適合セザル虞アルニ因リ国土交通大臣ニ於テ特ニ必要アリト認メタルトキ行フ検査(特別検査)
○2 国土交通大臣ハ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ中間検査ヲ受クルコトヲ免除スルコトヲ得

(10条1項)船舶検査証書ノ有効期間ハ五年トス但シ旅客船ヲ除キ平水区域ヲ航行区域トスル船舶又ハ小型船舶ニシテ国土交通省令ヲ以テ定ムルモノニ付テハ六年トス

(2) 第二条第一項(法定設備)各号に掲げる事項を3つ列挙せよ(ただし「船体」と「機関」は使用不可とする)。(3点)

答え : 根拠法令の太字の部分から3つ

→ 根拠法令は,法2条。

(法2条) 船舶ハ左ニ掲グル事項ニ付国土交通省令(漁船ノミニ関スルモノニ付テハ国土交通省令・農林水産省令)ノ定ムル所ニ依リ施設スルコトヲ要ス
一 船体
二 機関
三 帆装
四 排水設備
五 操舵、繋船及揚錨ノ設備
六 救命及消防ノ設備
七 居住設備
八 衛生設備
九 航海用具
十 危険物其ノ他ノ特殊貨物ノ積附設備
十一 荷役其ノ他ノ作業ノ設備
十二 電気設備
十三 前各号ノ外国土交通大臣ニ於テ特ニ定ムル事項

2.次の文中、□に入る適切な語句(船舶安全法で使用されているものに限る)又は数字を解答欄に記入せよ。(11点)
(1) 船舶安全法第1章の規定による検査、認定、認可、型式承認、検定のほか、検査又は検定に関する書類の[再交付]もしくは書換を受けようとする者は、国土交通省令で定める実費を勘案した額の[手数料]を国(小型船舶検査機構による検査等を受けようとするときは小型船舶検査機構)に納付しなければならない。

→ 根拠法令は,法29条の4第1項本文

(法29条の4第1項本文) 第一章ノ規定ニ依ル検査(登録検査確認機関又ハ船級協会ノ検査ヲ除ク以下同ジ)、認定、認可、型式承認若ハ検定(機構又ハ登録検定機関ノ検定ヲ除ク以下同ジ)又ハ検査若ハ検定ニ関スル書類ノ再交付若ハ書換(以下検査等ト称ス)ヲ受ケントスル者ハ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ実費ヲ勘案シタル額ノ手数料ヲ国(機構ノ検査等ヲ受ケントスルトキハ機構)ニ納付スベシ

(2) 整備認定事業場において、[整備規程]に従い整備されたことを確認した物件については、その後[30]日以内に行う定期検査または[中間検査]を省略する。

→ 根拠法令は,法6条の3。

(法6条の3) 船舶又ハ第二条第一項各号ニ掲グル事項ニ係ル物件ニシテ国土交通省令ヲ以テ定ムルモノノ製造者ガ其ノ船舶又ハ物件ノ整備(第五条第一項第三号ノ国土交通省令ヲ以テ定ムル修理ヲ除ク以下同ジ)ニ付整備規程ヲ定メ国土交通大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ニ於テ当該整備規程ニ従ヒ整備ヲ行フ能力ニ付事業場毎ニ行フ国土交通大臣ノ認定ヲ受ケタル者ガ其ノ船舶又ハ物件ノ整備ヲ行ヒ且国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ其ノ整備ガ当該整備規程ニ適合シテ為サレタルコトヲ確認シタルトキハ当該船舶又ハ物件ニ付国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ其ノ後三十日内ニ行フ定期検査又ハ中間検査ヲ省略ス但シ其ノ期間内ニ臨時検査ヲ受クベキ事由ノ生ジタル船舶又ハ物件ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ

(3) 国土交通大臣の登録を受けた船級協会の検査を受け、[船級]の登録を受けた船舶が受有する船舶検査証書は、その船舶が登録を抹消されたとき又は [旅客船]となった場合は、その有効期間を満了する。

→ 根拠法令は,法8条及び10条6項。

(8条) 第二十五条の六十九及第二十五条の七十ニ於テ準用スル第二十五条の四十七ノ規定ニ依リ国土交通大臣ノ登録ヲ受ケタル船級協会(以下単ニ船級協会ト称ス)ノ検査ヲ受ケ船級ノ登録ヲ為シタル船舶ニシテ旅客船(十二人ヲ超ユル旅客定員ヲ有スル船舶ヲ謂フ以下同ジ)ニ非ザルモノハ其ノ船級ヲ有スル間第二条第一項各号ニ掲グル事項、満載喫水線及無線電信等ニ関シ特別検査以外ノ管海官庁ノ検査(国土交通省令ヲ以テ定ムルモノヲ除ク)ヲ受ケ之ニ合格シタルモノト看做ス

(10条6項) 第二項乃至第四項ノ規定ニ拘ラズ第八条ノ船舶ノ受有スル船舶検査証書ハ其ノ船舶ガ当該船級ノ登録ヲ抹消セラレ又ハ旅客船ト為リタルトキハ其ノ有効期間満了ス

(4) [管海官庁]が行う検査又は検定に対して、[不服]があるときは、検査又は検定の結果に関する通知を受けた翌日から起算して[30]日以内に、[国土交通大臣]に対して再検査又は再検定を申請することができる。

→ 根拠法令は,法11条1項。

(法11条1項) 管海官庁ノ検査又ハ検定ヲ受ケタル者検査又ハ検定ニ対シ不服アルトキハ検査又ハ検定ノ結果ニ関スル通知ヲ受ケタル日ノ翌日ヨリ起算シ三十日内ニ其ノ事由ヲ具シ国土交通大臣ニ再検査又ハ再検定ヲ申請スルコトヲ得

以 上