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平成28年海事代理士試験 造船法の解説

注:執筆当時の法令に基づくものです。法改正の影響については各自ご確認ください。

1.法令の規定を参照した次の文章中の□に入る適切な語句を解答欄に記入せよ。

(1) この法律は、造船技術の向上を図り、あわせて造船に関する事業の[円滑な運営]を期することを目的とする。

→ 根拠法令は、造船法1条。造船技術の向上はいいと思うのですが、「造船に関する事業の円滑な運営を期する」となると、昔の護送船団方式のような感じがしますね。そういう大上段からくる法律ということで理解しておきましょう。

(2) 総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上の鋼製の船舶の製造又は修繕をすることができる造船台、ドック又は[引揚船台]を備える船舶の製造又は修繕の施設を新設し、譲り受け、若しくは借り受けようとする者は、[国土交通省令]の定める手続きに従い、国土交通大臣の許可を受けなければならない。

→ 根拠法令は、造船法2条1項。設備の新設等にまで許可がいるので、かなり厳しい規制になっています。大きなフネを作ることができる施設を国土交通大臣の管理下におくことで、造船に関する事業の円滑な運営を期そうとしているということでしょうか。

(3) 鋼製の船舶の製造又は修繕をする事業を開始した者は、その事業を開始した日から[2箇月]以内に、その施設の概要及び[事業計画]を国土交通大臣に届け出なければならない。

→ 根拠法令は、造船法6条1号。事業の開始については、許可までは不要で、届出で足ります。大型の設備新設等については許可制で管理できているので、事業については届出でOKとしたというところでしょうか。この制度も、船舶の製造・修繕事業を管理することで、造船に関する事業の円滑な運営を期すためのものであると考えられます。

(6条1号)  左に掲げる事業を開始した者は、その事業を開始した日から二箇月以内に、その施設の概要及び事業計画を国土交通大臣に届け出なければならない。
一  鋼製の船舶の製造又は修繕をする事業

2.造船法に関する次の文章のうち、正しいものには○を、誤っているものには×を解答欄に記入せよ。

(1) 造船法第二条第一項の規定に基づき、総トン数五千トンの鋼製の船舶の修繕をすることができる造船台を備える施設を借り受けた者が、造船法第三条第一項の規定に基づき、当該造船台の拡張に係る国土交通大臣の許可を受けることはできない。

答え : ☓

→ 根拠法令は、造船法3条1項。「借り受けている人も許可を受けなければならない」とされている以上、借り受けた人も、許可を受けることができます。

  前条の施設を所有し、又は借り受けている者が、当該施設において、船舶の製造又は修繕に必要な造船台、ドツク、引揚船台等の設備であつて国土交通省令で定めるものを新設し、増設し、又は拡張しようとするときは、国土交通省令の定める手続に従い、国土交通大臣の許可を受けなければならない。

(2) 総トン数二千トンの鋼製の船舶の製造をすることができるドックを所有する者が、当該ドックにおいて総トン数二千トンの鋼製の船舶の修繕をすることができるようにする場合は、造船法第三条第一項の規定に基づき、設備の増設に係る国土交通大臣の許可を受けなければならない。

答え : ☓

→ 根拠法令は、造船法3条1項。すでにあるドックで修繕をすることができるようにするだけで、ドックの新設等を行うわけではないので許可は不要です。

(3条1項)前条の施設を所有し、又は借り受けている者が、当該施設において、船舶の製造又は修繕に必要な造船台、ドツク、引揚船台等の設備であつて国土交通省令で定めるものを新設し、増設し、又は拡張しようとするときは、国土交通省令の定める手続に従い、国土交通大臣の許可を受けなければならない

(3) 軸馬力三十馬力以上の船舶用推進機関の製造をする事業を開始した者は、造船法第六条第一項の規定に基づく事業開始の届出をしなければならない。

答え : ○

→ 根拠法令は、造船法6条1項3号。30馬力以上の場合は、事業開始の届出が必要とされています。

(6条1項3号)  左に掲げる事業を開始した者は、その事業を開始した日から二箇月以内に、その施設の概要及び事業計画を国土交通大臣に届け出なければならない。
 三  軸馬力三十馬力以上の船舶用推進機関の製造をする事業

(4) 総トン数五百トンの鋼製の船舶の修繕をすることができる造船台を備える船舶の修繕の施設を所有し、事業を営む者は、毎年一回、鋼造船所施設状況報告書を提出するが、前回提出時の報告書記載事項に変更がない場合には、提出する必要はない。

答え : ○

→ 根拠法令は、造船法施行規則5条本文・ただし書き、法6条1項1号及び2条1項。造船施設状況って、基本的に変更しませんもんね。毎年提出を要するとすると大変なので、変更がなければ提出不要です。

(施行規則5条) 船舶の製造若しくは修繕又は船体、船舶用機関若しくはぎ装品又はこれらの部分品若しくは附属品の製造、修繕又は販売をする事業を営む者は、次の区分により、国土交通大臣に報告書を提出しなければならない。ただし、鋼造船所施設状況報告書にあつては、前回提出時の報告書記載事項に変更がない場合には、この限りでない。

報告書の名称:鋼造船所施設状況報告書 
報 告 者 :法第六条第一項第一号の事業を営んでいる者であつて、法第
       二条第一項の施設を所有し、又は借り受けているもの
報告事項  :施設の概要
書    式:第六号書式
提出期日  :毎年二月十五日まで

(6条1項1号) 左に掲げる事業を開始した者は、その事業を開始した日から二箇月以内に、その施設の概要及び事業計画を国土交通大臣に届け出なければならない。
 一  鋼製の船舶の製造又は修繕をする事業

(2条1項1号) 総トン数五百トン以上又は長さ五十メートル以上の鋼製の船舶の製造又は修繕をすることができる造船台、ドツク又は引揚船台を備える船舶の製造又は修繕の施設を新設し、譲り受け、若しくは借り受けようとする者は、国土交通省令の定める手続に従い、国土交通大臣の許可を受けなければならない。

(5) 造船法第二条一項の規定に違反した者は、一箇月以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

答え : ☓

→ 根拠法令は、造船法12条。1箇月以下ではなく、6月以下です。ちなみに、造船法2条1項の規定は、設備の新設等の許可、3条1項は、設備拡張等の許可のものです。占有離脱物横領罪(いわゆるネコババなどの場合)の法定刑でも1年以下10万円の罰金ですので、わりと軽い罰則となっています。

 第二条第一項又は第三条第一項の規定に違反した者は六月以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

                               以上