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平成27年海事代理士試験 港則法の解説

注:執筆当時の法令に基づくものです。法改正の影響については各自ご確認ください。

1.港則法に関する次の文章中の に入る適切な語句を下欄の語群の中から選び、その番号を解答欄に記入せよ。(5点)

(1) この法律は、港内における船舶交通の[安全]及び港内の[整とん]を図ることを目的とする。

→ 根拠法令は、法1条。

(1条)この法律は、港内における船舶交通の安全及び港内の整とんを図ることを目的とする。


(2) 「特定港」とは、きつ水が深い船舶が出入できる港又は[外国船舶]が常時出入する港であつて、[政令]で定めるものをいう。

→ 根拠法令は、法3条2項。

(法3条2項)この法律において「特定港」とは、喫水の深い船舶が出入できる港又は外国船舶が常時出入する港であつて、政令で定めるものをいう。


(3)[汽艇等]以外の船舶は、港則法第4条、第8条第1項、第10条及び第23条の場合を除いて、港長の許可を受けなければ、同法第5条第1項の規定により停泊した一定の区域外に移動し、又は港長から指定されたびよう地から移動してはならない。但し、海難を避けようとする場合その他やむを得ない事由のある場合は、この限りではない。

→ 根拠法令は、法7条1項。現在は、雑種船ではなく、汽艇等です。

(7条1項) 汽艇等以外の船舶は、第四条、次条第一項、第十条及び第二十三条の場合を除いて、港長の許可を受けなければ、第五条第一項の規定により停泊した一定の区域外に移動し、又は港長から指定されたびよう地から移動してはならない。ただし、海難を避けようとする場合その他やむを得ない事由のある場合は、この限りでない。


2.港則法に関する(1)~(5)の各文章について、正しいものに○、誤っているものに×を付した場合の組合せを、下欄の1~4の選択肢から選び、その番号を解答欄に記入せよ。(5点)
(1) ア. 特定港内において、雑種船を修繕し、又はけい船しようとする者は、その旨を港長に届け出なければならない。

答え : ☓

→根拠法令は、法8条1項。規定と逆のことが書かれています。

(8条1項) 特定港内においては、汽艇等以外の船舶を修繕し、又は係船しようとする者は、その旨を港長に届け出なければならない。


イ. 特定港以外の法適用港において危険物の積込をするには、港長に届け出なければならない。

答え : ☓

→ 根拠法令は、法23条。危険物の積込に関する規定は、23条しかありませんが、特定港以外については定められていません。

(2) ア. 特定港の境界附近において危険物の運搬をしようとするときは、港長の許可を受けなければならない。

答え : ○

→ 根拠法令は、法23条4項。

(法23条4項) 船舶は、特定港内又は特定港の境界附近において危険物を運搬しようとするときは、港長の許可を受けなければならない。


イ. 特定港以外の法適用港において使用すべき私設信号を定めようとする者
は、当該港の所在地を管轄する海上保安部等の長の許可を受けなければなら
ない。

答え : ○

→ 根拠法令は、法37条の5、29条。

(37条の5) 第十条、第二十六条、第二十九条、第三十一条、第三十六条第二項、第三十六条の二第二項及び第三十六条の三から第三十七条の二までの規定は、特定港以外の港について準用する。この場合において、これらに規定する港長の職権は、当該港の所在地を管轄する管区海上保安本部の事務所であつて国土交通省令で定めるものの長がこれを行うものとする。

(29条) 特定港内において使用すべき私設信号を定めようとする者は、港長の許可を受けなければならない。


(3) ア. 特定港以外の法適用港の境界附近において工事又は作業をしようとする者は、当該港の所在地を管轄する海上保安部等の長の許可を受けなければならない。

答え : ○

→ 根拠法令は、法37条の5及び31条1項。

(37条の5) 第十条、第二十六条、第二十九条、第三十一条、第三十六条第二項、第三十六条の二第二項及び第三十六条の三から第三十七条の二までの規定は、特定港以外の港について準用する。この場合において、これらに規定する港長の職権は、当該港の所在地を管轄する管区海上保安本部の事務所であつて国土交通省令で定めるものの長がこれを行うものとする。

(31条1項) 特定港内又は特定港の境界附近で工事又は作業をしようとする者は、港長の許可を受けなければならない。



イ. 特定港の境界附近で端艇競争をしようとする者は、予め港長に届け出なければならない。

答え : ☓

→ 根拠法令は、法32条。港内のみ。

(32条)  特定港内において端艇競争その他の行事をしようとする者は、予め港長の許可を受けなければならない。


(4) ア. 特定港以外の法適用港の港域内で船舶を進水させようとする者は、その旨を当該港の所在地を管轄する海上保安部等の長に届け出なければならない。

答え : ☓

→ 根拠法令は、法33条。特定港以外については、船舶の進水に関する規定がありません。

(33条) 特定港の国土交通省令で定める区域内において長さが国土交通省令で定める長さ以上である船舶を進水させ、又はドツクに出入させようとする者は、その旨を港長に届け出なければならない。


イ. 特定港においていかだを運行しようとする者は、港長の許可を受けなければならない。

答え : ○

→ 根拠法令は、法34条1項。

(34条1項) 特定港内において竹木材を船舶から水上に卸そうとする者及び特定港内においていかだをけい留し、又は運行しようとする者は、港長の許可を受けなければならない。


(5) ア. 入出港届を提出した後において、乗組員の数又は旅客の数に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を港長に届け出なければならない。

答え : ☓

→ 根拠法令は、法4条および施行規則1条3項。提出後に変更があった場合に届出なければならないのは、出港の日時の変更についてだけです。

(4条) 船舶は、特定港に入港したとき又は特定港を出港しようとするときは、国土交通省令の定めるところにより、港長に届け出なければならない。

(施行規則1条3項)
3  前項の入出港届を提出した後において、出港の日時に変更があったときは、遅滞なく、その旨を届け出なければならない。


イ. 平水区域を航行区域とする日本船舶は、特定港に入出港する場合においても、入港届及び出港届、または入出港届を港長に提出することを要しない。

答え : ○

→根拠法令は、施行規則2条2号。

(施行規則2条)次の各号のいずれかに該当する日本船舶は、前条の届出をすることを要しない。
 二  平水区域を航行区域とする船舶

以  上