1 弁護士会とは

 弁護士会は,弁護士法に基づき,地方裁判所の管轄区域ごとに設立される法人(弁護士法32条・31条2項,地方裁判所が50カ所しかないのに52の弁護士会が存在するのは,いろいろあって東京だけ3つの弁護士会が存在するため)です。
 弁護士会っぽいものには,同法44条を根拠として同じ高裁管轄区域内の弁護士会が共同して設立することができる弁護士連合会(例:九州弁護士連合会等)や,同法45条を根拠として全国の弁護士会が設立する日本弁護士連合会がありますが,これらは「連合会」なので,厳密には弁護士会ではありません。

 なお,名称については特に制限がないため,「仙台弁護士会」のように市名をベースとする弁護士会があったり,県名ベースでも「○○県弁護士会」と「○○弁護士会」のように,県が入ったり入らなかったりします。講師の紹介をする際等には,きちんと確認されたい。

2 強制加入団体

 弁護士となるには,弁護士名簿に登録される必要があるのですが(同法8条),登録請求は入会しようとする弁護士会を通じてしなければならず(同法9条),弁護士名簿に登録されると当然に入会しようとする弁護士会の会員になります(同法36条1項)。
 さらに,弁護士となった場合,弁護士等及び弁護士会は,当然に日弁連の会員となることとされています(同法47条)ので,自動的に日弁連の会員にもなります。したがって,弁護士会の会員だけど日弁連には所属しない,ということはできません

 また,登録替え(弁護士会を移ること)をした場合や,登録取消し(弁護士をやめること)をした場合については,所属弁護士会を退会することとなっていますが(36条1項・2項),それ以外に退会事由が定められていないことから,日弁連にだけ所属していて弁護士会には所属していない「野良弁護士」のような存在になることもできません。弁護士会も日弁連も強制加入です。

3 弁護士会の目的

 弁護士会の目的は,弁護士及び弁護士法人(以下,「弁護士等」といいます。)の品位を保持し,弁護士等の事務の改善進捗を図るため,弁護士等の指導,連絡及び監督に関する事務を行うこととされています(同法31条1項)。
 ちなみに,日弁連の目的は弁護士等の品位を保持し、弁護士等の事務の改善進歩を図るため、弁護士等及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うこと(同法45条2項)なので,弁護士会の目的に弁護士会の指導,監督及び連絡に関する事務を加えたものとなっています。

(参照条文)
第八条 弁護士となるには、日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録されなければならない。
第九条 弁護士となるには、入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録の請求をしなければならない。
第十一条 弁護士がその業務をやめようとするときは、所属弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録取消の請求をしなければならない。
第三十一条 弁護士会は、弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士及び弁護士法人の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。
 弁護士会は、法人とする。
第三十二条 弁護士会は、地方裁判所の管轄区域ごとに設立しなければならない。
第三十六条 弁護士名簿に登録又は登録換を受けた者は、当然、入会しようとする弁護士会の会員となり、登録換を受けた場合には、これによつて旧所属弁護士会を退会するものとする。
 第十一条に規定する請求により登録取消を受けた者は、当然、所属弁護士会を退会するものとする。
第四十四条 同じ高等裁判所の管轄区域内の弁護士会は、共同して特定の事項を行うため、規約を定め、日本弁護士連合会の承認を受けて、弁護士会連合会を設けることができる。
第四十五条 全国の弁護士会は、日本弁護士連合会を設立しなければならない。
 日本弁護士連合会は、弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士、弁護士法人及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。
 日本弁護士連合会は、法人とする。
第四十七条 弁護士、弁護士法人及び弁護士会は、当然、日本弁護士連合会の会員となる。