知って得する契約書の条項

 専属管轄って?

 契約書をつぶさに見ていくと,最後の方に「本契約に関連して生じた紛争については,東京地方裁判所を第一審の専属管轄とする。」という条項がよくありますが,このような条項は,「専属的合意管轄条項」とよばれています。

 このような条項をいれておくと,万が一訴訟になった場合でも,基本的に東京地裁で裁判ができるので,それほど費用をかけずに訴訟対応ができます。

いれてないとどうなるの?

 一方で,専属的合意管轄をいれていないと,各地の裁判所で訴訟提起され,原則として現地で対応しないといけません。仮に弁護士に訴訟代理を頼んだとしても,東京の弁護士なら交通費や日当を,現地の弁護士なら打ち合わせのための交通費がかかるので,意外と支出がかさみます。

 というわけで,訴訟がおこるリスクがそれほど高くないとしても,年のため「専属的合意管轄条項」を入れておくと,万が一の際の出費を抑えることができる可能性があります。なので,経営資源が豊富とは言えない中小企業が契約書を作成する場合には,特殊な場合を除き,基本的には専属管轄を入れておくことをおすすめします(専属合意管轄条項を入れておいても各地での訴訟に対応しないといけないこともあるんですけどね。消費者事件とか。)。

入れる場合の注意点

ただし,この条項を入れる際には,注意点が2つあります。

まず,「本件契約に関連して生じた紛争」などと限定しておくことです。「一切の紛争」や,「甲乙間の紛争」など,対象を限定しないような文言だと,対象となる訴えが特定されていないとして,無効にされる危険性があります。

2つ目は,「専属的」という文言をきちんと入れておくことです。「●●地方裁判所を管轄裁判所とする」という文言だけだと,付加的な管轄合意(通常の訴えることができる裁判所に加えて,その裁判所でも裁判していいという意味)にすぎないと判断されて,せっかく入れた専属的合意管轄の意味がなくなってしまう可能性があります。

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