本日(令和6年11月1日)、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律、いわゆるフリーランス法の施行がはじまりました。結構BtoB取引に影響がありそうな法律の施行なのですが、適用範囲などがあまり知られていないように感じたので少しまとめておきます。

 同法は、独禁法や下請法と労働法の間隙に落ち込んでいたフリーランスを保護するための法律で、個人か法人かを問わず、従業員等を使用しない特定受託事業者(フリーランス)が業務委託を受ける場合に適用されます(2条1項1号)。
 この特定受託事業者には業種制限がないため、弁護士その他の士業であっても従業員等を使用していない者であれば、同法の適用があることになります。

 逆に、発注する側は、業務委託をするすべての事業者に適用がありますので(2条5項)、フリーランス(特定受託事業者に該当する者)であっても、他の特定受託事業者に業務委託をする場合は同法が適用されます。
 発注する側には、基本的に契約条件を明示する義務がありますが(3条)、従業員等を使用している場合は特定業務委託事業者として、募集情報の的確表示義務(12条)といった就業環境の整備を含む様々な義務が課せられることになります(5条、13条、14条、16条ほか)。
 そのため、弁護士その他の士業がほかの人に業務を委託する場合にもフリーランス法が適用され、少なくとも契約条件を明示する必要があることになります。

 同法違反が認められた場合、発注事業者に対して公正取引委員会からの勧告や命令・公表がなされることとされているほか、命令に違反した場合の罰則も定められていますので、事業者の方は適切に対応する必要があります。
 これまで発見した資料の中では、公正取引委員会が公表しているパンフレット「ここからはじめる フリーランス・事業者間取引適正化等法」がとてもわかりやすくまとまっていました。以下のリンク先からダウンロードすることが可能ですので、気になった方は参照されてください。

参照:https://www.jftc.go.jp/fllaw_limited.html