1 はじめに
弁護士が業務を行うにあたって取り扱う情報は,依頼者の個人情報等,いずれも極めてセンシティブなものです。
そのため,情報の扱いについてはかなり慎重になされているイメージですが,たまに記録の置き忘れ等で処分されている法曹関係者をお見かけします。
今回は,情報関係の事故が生じないようにするにはどうしたらいいのかについて,まとめられるだけまとめてみました。
2 どのような事故が生じうるのか
(1)情報が漏洩するパターン
情報は手元に残っているが,情報が外にもれてしまうパターンです。
原因としては,裏紙の使用や,記録の置き忘れ,コンピューターウイルスの感染などがあげられます。
(2)情報が無くなるパターン
外には漏れていないが,情報自体を毀損するというパターンです。
原因としては,パソコンやサーバーの故障,紛失等があげられます。
3 事故を防止するための対策
①裏紙は使わない
おそらく,コスト削減のためになされていると思われますが,裏紙の使用は複合機のつまりの原因などにもなり,総合的なコスト削減効果はそれほどないと言われています。むしろ,うっかり渡してしまった場合に情報漏えいのリスクを抱えることになりますので,コスト増になっている可能性も・・・
②書類を捨てるときはシュレッダーにかける
そのまま捨てると,その後持ち去られる等して情報が漏洩する可能性があります。そんなに高くないので,シュレッダーを買ってきましょう。
③事務所の外では事件を扱わない
事件記録の持ち出しは,記録の置き忘れ等のもとです。なるべく事務所外への持ち出しをしないようにしましょう。
④SNSに事件のことを書かない
多分事件のことを書いてもいいことはありません。相談するのであれば,専用のメーリングリスト等でやりましょう。
⑤記録を持ち出すなら酒を飲むな
記録の置き忘れ事件は,ほとんど酔って置き忘れたというケースのような印象があります。飲む予定があるのであれば,記録を持ち出すのはやめましょう。
⑥パソコンやスマートフォン,USBにはロックをかけろ
開くたびに少し手間がかかりますが,情報を扱っている媒体には,万が一落としたときのためにロックをかけるようにしましょう。
⑦ウイルス対策ソフトを導入しよう
導入していないところは殆どないかと思いますが,ウイルス対策ソフトを導入しましょう。個人的にはESETの製品が軽くて好きです。
⑧RAID対応NASの導入
少しお金がかかりますが,RAID対応のNASを購入して導入しましょう。
意味がわからなくても,「RAID NAS」でググれば商品が出てきます。
導入したNASにデータをバックアップしておけば,万が一パソコンが故障した場合でも,データを復旧することができます。
⑨パソコンは定期的に買い換える
正直ハードディスクは消耗品です。時間が経つと劣化してきて壊れます。
2~3年でどんどん買い替えていくことをおすすめします。
⑩定期的にセキュリティを検討する
情報機器の進歩にともない,情報セキュリティ対策も変わってきます。少なくとも1年に1回くらいは情報セキュリティについて見直し,検討するようにしましょう。
4 おわりに
ということで,思いつくまま情報セキュリティについて書いてみました。ノリで書いたので,そのうち見直してブラッシュアップしていきたいと思います。