はじめに

 本日合格発表があり,なんとか令和2年度の中小企業診断士試験に合格しました。
 合格率の違いからか,筆記試験と比べて口述試験関係の詳細な情報がなかったので残しておきます。

対策としてやったこと

 筆記試験の合格が発表された後,口述試験までは1週間程度しかありません(令和2年は合格発表が12月11日,口述試験が12月20日)。いろいろやるのは無理だと思ったので,以下のことだけに絞ってやりました。

①再度問題文と設問を読み返す
②事案のSWOT分析
③各設問の解答を考え直す(結構,「あ,こういうことだったのか」ということがありました・・・岡目八目ってやつですね。)

 一応,AASとLECの口述試験問題集を購入してみたのですが,解答の方向性に納得がいかなかったり,絶対これは聞かれないだろうという部分があったので,さらっと読むくらいで,覚えこんだりはしませんでした。

口述試験に関するあれこれ

 予定時刻の30分前には会場で受付を済ませておかなければならないので,できれば1時間前くらいに着くように調整して移動する必要があります。
 私の場合,受験地は福岡,居住地は長崎だったのですが,午前の組でした。地方だからといって,午後の組ということはないようです。
 長崎から福岡まではかもめちゃんで2時間くらいなので,朝一の便に乗れば間に合うのですが,遅延等が怖かったので前泊しました。

 なんとか予定時刻の約1時間前に会場についたのですが,他の会合も同じフロアで開催されており,どこに行けばいいのかちょっと迷いました。おそるおそる口述試験の控え室に入ると,受付は控え室の中にありました。受付とは・・・

 控え室内では,番号を呼ばれた人が出て行き,空いた席には到着した受験生が来て資料を見直していました(意外と満室にならないのが不思議でした。見ていないだけで,外に追い出された人もいたのかな?)。
 試験部屋によって進み具合に違いがあり,よばれる番号が前後することがあるようです。なので,自分より後の番号の人が先に呼ばれても焦る必要はありません。口述試験の受験票を持っている限りはたぶん大丈夫です。なお,呼ばれた人が出ていくたびに机が消毒されていました。

 ちょうど予定時刻ころに呼ばれ,受験票を見せた後試験部屋の前まで連れて行かれました。もう時間だからノックして入っていいと言われたので,ノックして入室したところ,結構長い机を隔てて試験官2人(年配の男性1人,中年の男性1人。)が座っており,机の手前にパイプイスが2つありました。

 とりあえず手前のイスに荷物をおき,机に近いイスに座ると,「マスクを外してください」といわれ,顔を確認されました。あまり覚えていませんが,名前と生年月日も答えた気がします。

「事例Ⅰと事例Ⅱからいくつか質問をします。あくまで目安ですが,1問につき,質問と回答をあわせて2分程度で回答してください。」的なことを言われて具体的な質問にはいりました。

 マスクについての指示がなかったので,いつ付け直していいのかわからず困ったのですが,そのまま質問が始まってしまったので,答える前にマスクを付け直しました。本当はどこでマスクを付け直すのがよかったのかはいまだによくわかりません。

具体的な質問内容

1 (事例Ⅰより)同族会社のデメリットはなんですか?

2 (事例Ⅰより)A社は,成果型報酬制度を導入する予定だが,その際の留意点は?

3 (事例Ⅱより)B社は,自社製品を販売しているが,他の製品に埋もれないためには,どのような場所で販売を行うべきでしょうか?

4 (事例Ⅱより)Z社依存のデメリットはなにか?

5 (事例Ⅱより)BtoBマーケティングについて説明してください。

6 (事例Ⅱより)BtoCマーケティングについて説明してください。

口述試験終了後

 正直あまり的確に回答できた感じはしなかったのですが,試験官から「これで終わりです。まっすぐ立ち去ってください」的なことを言われたので,うながされるままエレベーターに乗り,建物の外に。
 外は雨がぱらついていたので,屋根のあるところに移動して口述試験のメモを取り,手応えもやりきった感もないまま長崎行きのカモメに乗って福岡を後にしました。

まとめ

 結果として口述試験はとおっていたので,いいつたえどおり①スーツを着て,②遅刻せずに試験会場に行き,②いちおう日本語で受け答えすれば口述試験はとおるようです(ただし,私の場合は回答が短かったようなので,死ぬほどしゃべりたくった場合にどうなるかはわかりません。沈黙は金,雄弁は銀かもしれません。)。
 この記事を読んでいる人は,これから受ける口述試験が不安な人でしょうが,ひととおり準備をしたらたぶん大丈夫ですので,安心して試験に臨んでください。

試験を振り返って

 試験を振り返っての感想なのですが、少なくとも2次試験については、模擬試験等を利用すればもう少し余裕を持って合格できたのではないかと思っています。

 というのも、過去問と解答がまとめて公開されている一次試験と異なり、二次試験については問題しか公開されていないんですよね。なので、司法試験の論文式試験と同様、答案のイメージ作りからはじめないといけないのですが、年度や問題によっては、結構解説がバラバラだったりして、構築したイメージが正しいのかは模擬試験などで試してみないとわかりません。

 また、たまに「本を読んだら自由自在にアウトプットできる」という人たちも存在するのですが、普通の人たちは訓練しないと「書きたいことはこういうことだけど、どう書いていいかわからない」という事態が生じます。

 さらに、診断士試験(筆記)は時間制限と文字数制限がエグいので、どういうふうに問題文を加工していって、どのくらいの要素をどのくらいの配分で回答に詰め込むか、といった点細かい点についても事前に決めておかないと本番で時間不足に陥る可能性があります。

 なので、模擬試験という機会を作って試行錯誤し、これらの点をなるべく解決しておいた方が合格率は高まると思います。

 ただ、模試は模試で問題点があって、基本的に結構都市部でしか開催されていないため、私のように九州の端っこに住んでいると時間と費用の点でかなりの負担となります。
 たとえば、長崎の場合、模試を受けようと思ったら福岡まで出ないと行けないのですが、特急かもめで博多まで片道1時間半、往復で3時間はかかります。
 また、そんなにぴったりな時間の便もないので、めちゃくちゃ早起きするか、前日から福岡入りする必要があるのですが、福岡はホテルが高いので、一泊1万円くらいかかります。割引制度を利用しても、かもめの代金で5000円くらいはかかりますので、1回模試をうけるたびに+5000円(+早起きによるダメージ)~20000円くらいの追加費用が発生することとなります。えぐい。

 上記のような事情から、私は模試を受けるのを断念したのですが、前述のとおり、試行錯誤の機会があった方が合格率は高まると思います。