1 裁判のIT化関係で
一部の裁判所が、2020年から争点整理手続にマイクロソフトのTeamsを活用するという記事が出ていました。
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/02183/
※ ちなみに、この一部の裁判所というのは、高裁所在地の地方裁判所です。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/saiban/dai9/index.html
福岡でも開始されるということで、「もしかしたら福岡地裁の裁判もやるかもしれないし、そのうち長崎にも波及するだろう。」という読みのもと、せっかくなので早期にTeamsの導入することにしました。
そのときに検討した事項等をまとめましたので、今後導入を検討される先生方はご参考までにどうぞ。
2 Teamsって?
Teamsは、マイクロソフトが提供しているグループチャットソフトです。
組織内でのやりとりをチャット形式でできたり、ファイルの共有をすることが可能です。似たようなサービスだと、「チャットワーク」や「スラック」なんかがありますね。
https://products.office.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software
社内のやり取りをメールでやっていたりするのであれば、結構業務の効率化ができると思います。うちでは、現在、チャットワークを不在時に入った電話連絡のメモを共有や、ファイルのやり取り、備忘録の記録等に活用しています。
チャットワークとの比較で言えば、Teamsは、タスクの押しつけができない代わりに、会議機能等がついている感じです。
3 必要な機材・スペックは?
マイクロソフトが発表しているハードウェア要件は、以下のとおりです。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/hardware-requirements-for-the-teams-app
さすがにCPU1.6GHz、メモリ2GBのパソコンでは満足にうごかんやろ・・・
※2021年08月09日追記 ハードウェア要件が上がっていました。少なくともメモリ4GBが必要です。
一応、約2年前に購入したCPUがCorei3 /メモリ4GBのデスクトップパソコン(Windows10)でも動きましたが、他のアプリとの併用を考えると、もう少しスペックが欲しいところ。
調べた感じだと、CPUが最新のCorei5か少し古いcorei7/メモリ8GB〜くらいあればそれなりに動きそうな感じですが、これから買い換えるなら、すこし奮発してメモリは16GBにしておいた方が快適だと思います。
他のOfficeアプリの要求水準もどんどん上がっていますからね・・・
OSはWindows7やOSX El capitan でも動くらしいので、それほど気にする必要はありませんが、セキュリティの関係から、OSは最新のものにしておくのがベターかと思います。
(令和4年9月8日追記)
Windows11からteamsがOSに統合されましたので、Windows11に対応しているPCであればteamsが動くはずです。それでもメモリは16GB以上がおすすめですが。
また、会議機能を活用するためには、マイクやカメラが必要です。imacのように、最初から組み込まれているのでなければ別途購入しましょう。
4 他に必要な費用は?
Teamsは無料バージョンからはじめられます。さっそくインストールして使ってみましょう(マイクロソフトアカウントがない場合は別途作成が必要)。
ストレージが少なかったりしますが、とりあえず触って試す分には全く問題ありません。
https://products.office.com/ja-JP/microsoft-teams/group-chat-software
で、使っているなかでさらにストレージが必要になったり、スケジュールを設定した会議をする必要に迫られたら有料の方に移行すればいいと思います。
そのときは、他のWordやらなんやらが不要ならBusinessEssential、WordやらなんやらもほしければBusinesspremiumを選ぶ感じでしょうか。
なお、plannerやSharePoint、顧客管理ソフトなんかも使えるようになるらしいので、うちでは移行するのであればBusinesspremiumに移行する予定です。
https://products.office.com/ja-jp/microsoft-teams/free
5 使い方とか
他のチャットツールを利用されていれば、移行は容易かと思いますが、これからという場合には、グーグルで「Microsoft Teams 導入ご参考資料」と検索すると、マニュアル的なものが出てきます。適当に触っててもそれなりに使えるので、あんまり必要ないかとは思いますが。
6 その他の活用方法
外部ユーザーも招待できるので、顧問先とのやりとりに活用できるのではないでしょうか。ファイルの共有もできますし、チャットが残るので、以前のやりとりの確認も容易です。
後は、早く刑事裁判の方にも波及して欲しいところ。とりあえず準抗告とかだけでもIT化しません?
7 2019.09.06追記
この間、この辺についておうかがいできる機会があったので聞いてみたところ、弁護士側のTeamsは、無料アカウントで大丈夫ということでした。裁判所側が有料アカウントで、訴訟ごとのチームに追加してもらえるから大丈夫なんだとか。
また、詳しいインストール方法などについては、日弁連謹製のマニュアルが最近公開されたので、会員専用ページからみてみましょう。
8 2019.12.04 追記
弁護士のためのteams導入ガイド 2を公開しました。必要スペックを満たしていそうなパソコンの紹介などもしていますので,よかったらこちらもどうぞ。