民事執行法の改正についての情報
民事執行法ってなに?
民事執行改正に関する要綱案ができたみたいですが,裁判をやったことがない大多数の方のためにご説明しますと,わざわざ費用と時間をかけてまで裁判をやる理由は,「強制執行」という制度を使って,相手から無理矢理財産を取り上げるためです。
相手が自分から払ってくれるんだったら,裁判とかやらないですよね。趣味とかでもない限り。
今回要綱案(改正のおおまかなところ)ができた民事執行法というのは,この強制執行(差押とか)の方法や手続きについて定めている法律です。
どうなるの?
この民事執行法,いろいろと不備な点があり,これまで多くの問題点が指摘されていました。そこで,次の改正では,財産開示制度の強化や,預貯金・勤め先の情報を取得しやすくする等の制度が盛り込まれるということです(せっかく不備や問題点をぼかしたのに,この辺りから現状の問題点が推測できてしまうような気もしますね。)。
つまり,きちんと裁判等をやってあなたの権利を確保していれば,国がその実現をより強力にサポートしてくれるようになるということです。
ただし,まだ要綱案の段階にすぎないので,実際の改正がどのようになるのかはわかりません。とりあえず首を長くして改正されるのを待ちましょう。
今後の展望について
個人的には,将来はこういう財産開示制度の活用の幅を広げて,破産の申立等の際にも利用させてくれるといいなと思います。
破産の申立書を作るときには,申立をする人の財産を把握しないといけないのですが,本人が結構忘れちゃっていたり,資料を集められなかったりで結構たいへんなんですよね。それが,こういう開示制度を使ってすぱっと財産状況を把握できるようになればより簡単に,しかも早くできるようになると思います。自分の情報なわけだから,個人情報という問題も生じないし・・・。
民事執行法に限らず,諸法令がより裁判所の手続きを利用しやすくなる方向で改正されていくといいなあと思います。弁護士の仕事は減っちゃうかもしれませんけどね。