はじめに

 前回、もはや弁護士の臓器であるPCのメモリは少なくとも16GB以上、ストレージはSSDでないといけないという記事を書きましたが、今回はこれらの次に重要なモニタについてのものです。

PCが臓器ならモニタは血管

 モニタは4Kだがメモリは8GB・HDDのPCか、メモリ16GB・SSD搭載だがモニタはブラウン管のPCかどちらか選べと言われたら間違いなく後者を選ぶべきですが、我々はモニタがなければ(基本的に)PCを操作できないのですから、モニタまさに弁護士とPCをつなぐ血管のようなものです。
 しかも、スマホなどの普及により近年酷使されがちな目との間のインターフェースであるため、重要度は大動脈級です(情報の流れ的には静脈に近いけど。)。作業効率を上げる(維持する)ため、また、弁護士自身の健康のためにも、メモリとSSDを確保した後はモニタに投資していただきたいところです。

まずはサイズの大きなものを

 モニタのサイズは、20インチ程度のものから50インチを超えるものまで様々ですが、基本的に大きいほうが作業効率が上がります。いろいろなものをスクロールせずに見ることができるためです。

 販売されているモニタは、22インチや24インチ程度のものが多いようですが、このサイズだとA4(縦)が実寸大で表示できないので、個人的には、A4見開きやA3が表示できる27インチ以上のモニタがおすすめです。私は、事務局含め27インチのモニタを使用するようにしています。

 ただ、モニタの場合、あまりにも大きいものだとかえって視線の移動距離が長くなってしまいますので、30インチを超えるモニタを検討する場合は、湾曲モニタなどを検討した方がいいかもしれません。

解像度はFHD以上を

 次に解像度です。HD、FHD、QHD(WQHD、2K)、4K、5Kといった規格がありますが、これは、「どのくらいの細かさで画像を表示できるか」、「どのくらいの広さの画面を表示できるか」を表していると考えていただければわかりやすいと思います。基本的に、右側に行けば行くほどより画像が鮮明になり、表示される画面の範囲も広がります。

 HDだと、1280×720=921600ドットとなりますが、FHDだと1920×1020=1958400ドットになるので、表示できる画面の広さはおよそ2倍になります。さらにQHDにすると、2560×1440=3686400ドットになるので、HDの4倍(なのでQuadHD)、FHDの約1.9倍の広さが表示できるようになります。
 4Kまでくると、3840×2160=8294400ドットなのでHDの9倍、FHDの約4.2倍、QHDの約2.25倍の広さが表示できるようになるのですが、弁護士業務だとさすがにオーバースペックかもしれません。

 最近は、HDのモニタ自体あまり販売されていないようですが、HDだと表示できる画面がかなり狭くなってしまいますので、少なくともFHD以上のものを選ぶようにした方がいいように思います(なお、私はアマゾン様のセールで安かったWQHDのモニタを使用しています。)。

参考:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1433616.html

液晶パネルの種類について

 液晶パネルは、駆動方式の違いによりVA、TN、IPSの3種類に大別されます。診断士試験の過去問に、これらの種類の違いが問われたものがあったような気がしますが、素早い応答速度が求められる事件や、はっきりとしたコントラストが必要な事件を扱う方を除いてはほとんど業務に影響しないので、あまり気にしなくていいと思います。

 なお、FPSゲームばりの反応速度が求められる事件を扱われる場合は応答速度が速いTN方式、はっきりとしたコントラストが必要な事件を扱われる場合は高いコントラスト比を出せるVA方式(ただ、けっこうギラギラするかも。)、結構ななめから画面を見る・見せる必要があるなら視野角の広いIPS方式がおすすめです。

https://www.eizo.co.jp/eizolibrary/other/itmedia01_04/#:~:text=%E6%B6%B2%E6%99%B6%E3%83%91%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%81%AE%E9%A7%86%E5%8B%95%E6%96%B9%E5%BC%8F%E3%81%AF%E3%80%81TN%EF%BC%88Twisted%20Nematic%EF%BC%89,%E6%96%B9%E5%BC%8F%E3%80%81IPS%E6%96%B9%E5%BC%8F%E3%81%A8%E7%B6%9A%E3%81%8F%E3%80%82

その他の機能について

 モニタによっては、ブルーライト低減機能をはじめとしたいろいろな機能が搭載されているものがありますが、個人的なおすすめはノングレア(非光沢)でフリッカーフリー機能がついたものです。
 光沢あり(グレア)のモニタは、色が鮮やかに表示され画質がきれいに見えるという利点もあるようなのですが、いかんせん蛍光灯の光や窓から入ってきた光がガツンと反射されるため、特に窓際に設置していると結構目にくる感じがします。一方、ノングレアのモニタは、色味が少し地味な感じになっているような気もしますが、反射が少ないためか、どことなく目にやさしい感じがします。あと、画面に傷がつきにくい(目立ちにくい)というのもメリットかもしれません。
 また、こっちはもはやプラセボかもしれませんが、フリッカーフリー機能がついていないモニタより、ついているモニタの方が疲労感が少ないような気がするので、私はフリッカーフリー機能がついているモニタを選ぶようにしています。

https://ascii.jp/elem/000/000/898/898481/

https://www.eizo.co.jp/eizolibrary/other/itmedia01_01/

まとめ

 一部、考慮しなくていいスペックについてもご紹介しましたが、冒頭に記載したとおり、モニタは弁護士とPCをつなぐ重要な構成要素です。ぜひこだわって事件処理の効率性を向上させてください!

 なお、以下はうちでつかっているモニタたちです。上から順にFHD、WQHD、4K。