相手方代理人に断られたりしてなかなか使えていないmints(民事裁判書類電子提出システム)についての記事です。
※本記事は、『民事裁判書類電子提出システム操作マニュアル~当事者ユーザ編~(1.10版)』に準拠して作成されています。

mintsにアップロード可能なファイルの形式など

 mints操作マニュアルの36頁によると、mintsにアップロード可能なファイル形式は、

・主張書面、書証の写し、証拠説明書、雑事件申立書、その他の書面
→ A3サイズ、A4サイズ、又はこれらが混在するPDF

・参考書面
→ PDF、Wordファイル(.docx)、Excelファイル(.xlsx) ※用紙サイズの制限なし

ということなので、アップロードするパターンとしては、
①主張書面や証拠説明書等をWordファイルで作成し、PDFに変換して提出する
②書証の写しをPDFとして作成して提出する
➂WordファイルをWordファイルのまま参考書面として提出する
④ExcelファイルをExcelファイルのまま参考書面として提出する
⑤PDFとして作成したファイルをPDFのまま参考書面として提出する
の5つが考えられます。

 なお、WordやExcelの用紙サイズはデフォルトがA4サイズなので、特にいじらなければ主張書面等の用紙サイズ問題はクリアできるはずです。問題は、いろいろなサイズが入り交じる書証の写しですかね。

mintsにファイルをアップロードする前の注意点

 ファイルをアップロードする際の注意点については、35頁及び別紙3に記載されているのですが、
①パスワード付きのファイルはアップロードできない
②ファイル名は拡張子を含めて50文字以内
 ※全角半角いずれも1文字とカウントされる(5頁)
➂ファイル名に使用することができない文字が含まれていてはいけない
 ※「【利用可能な記号】.!#$%&;’^_`{}~-+」や、「本システムで使用できる文字は、JIS X 0213の文字を基本としています。」という記載が5頁にあるのですが、具体的にどのような文字が使用できないのかについては明示されていない。
④1回にアップロードできる最大容量は50MBまで
⑤アップロードするファイルのプロパティや個人情報は削除する必要がある
というものがあります。
 まあ、①パスワードはあえて付けなければつきませんし、よっぽど変な名前をつけない限り②ファイル名の長さや➂使用不可文字は大丈夫でしょう。また、かなりの量の証拠をまとめて出したりしないかぎりは、④50MB制限にひっかかることもないような気がします。なので、面倒なのは⑤のプロパティや個人情報の削除ですね。なお、PDFの向きについては、推奨される方向があります(別紙4)。

具体的なやり方はどこに書いてある?

 パターン① 主張書面や証拠説明書等をWordファイルで作成し、PDFに変換して提出

手順
①Wordファイル・Excelファイルの用紙サイズがA4又はA3でない場合、用紙サイズをA4又はA3に変更する   
 → 別紙3 1頁~2頁
②Wordファイル・Excelファイルを、個人情報やプロパティを削除しつつPDFに変換する
 → 別紙3 5頁~9頁
➂PDFファイルを提出する

 パターン② 書証の写しをPDFとして作成して提出する

手順
(⓪PDFファイルのプロパティや個人情報を削除する)
①PDFファイルの用紙サイズがA4又はA3でない場合、用紙サイズをA4又はA3に変更する
 → 別紙3 3頁~5頁
②PDFファイルの向きを推奨方向に変更する
 → 別紙3 3頁~5頁
➂PDFファイルを提出する。

 パターン➂ WordファイルをWordファイルのまま参考書面として提出する
 パターン④ ExcelファイルをExcelファイルのまま参考書面として提出する

手順
①Wordファイル・Excelファイルのプロパティや個人情報を削除する
 → 別紙3 10頁~13頁
②Wordファイル又はExcelファイルを提出する。

 パターン⑤ PDFとして作成したファイルをPDFのまま参考書面として提出する

手順
(⓪PDFファイルのプロパティや個人情報を削除する)
①PDFファイルの用紙サイズがA4又はA3でない場合、用紙サイズをA4又はA3に変更する
 → 別紙3 3頁~5頁
②PDFファイルの向きを推奨方向に変更する
 → 別紙3 3頁~5頁
➂PDFファイルを提出する。

追記

 上記のような処理を自動でやってくれるアプリ「mints出す前に」を開発しました。
 説明書はこちら
 ダウンロードはこちらから

蛇足:画面解像度について

 mintsの操作マニュアルを見ていて気になったのが、画面解像度として1280*1024ピクセルが推奨されていることです。HDは1280*720、FHDは1920*1080なので、この解像度は横はHDと同じなのに、縦はほぼFHDという縦に長いものとなっています。
 この不思議な解像度について調べてみたところ、この解像度はSXGAという規格で、17インチのスクエア液晶ディスプレイ等に対応した解像度のようです。最近はFHDなどの横長モニタが主流だと思っていたのですが、もしかして、裁判所や他の事務所ではスクエア液晶ディスプレイが主流なのでしょうか・・・