平成26年海事代理士試験 憲法の解説

1.次の文章は日本国憲法の条文である。 に入る適切な語句を解答欄に記入せよ。(5点)


(1)  国の収入支出の決算は、すべて毎年[会計検査院]がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
→ 根拠法令は,憲法90条1項。収入支出→会計,検査報告→検査院と思い出せるようにしておけば書けるようになるはず。

(2)  すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び[幸福追求]に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
→ 根拠法令は,憲法13条。他のところと引っ掛けて覚えることができません。メジャーな条文なので,覚えるしかないか。


(3)  内閣は、国会の[臨時会]の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
→ 根拠法令は,憲法53条。平成29年ころ話題になっていましたね。いつまでに招集を決定しなければならないかについては,憲法上の規定はありません。


(4) 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が[本人の自白]である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
→ 根拠法令は,憲法38条3項。自己に不利益な唯一の証拠なのに「本人の」自白です。「自己の」ではありませんので,ケアレスミスに要注意。


(5) 両議院は、各々その総議員の[3分の1以上]の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
→ 根拠法令は,憲法56条1項。定足数は3分の1です。


2.日本国憲法及び判例を参照した次のア~オについて、正しい場合は○を、誤っている場合は×を、解答欄に記入せよ。(5点)

ア. 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。すべて予備費の支出については、内閣は事後に国会の承諾を得なければならない。

答え : ○

→ 根拠法令は,憲法87条。予備費は頻出ですので,条文を覚えておきましょう。


イ. 法律案の議決について、衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をしたときには、予算案の場合と違い両議院の協議会を開くことはできず、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したとき、当該法律案は法律となる。

答え : ☓

→ 根拠法令は,憲法59条3項。法律案についても,両議院の協議会を開くことができます。

(59条) 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
2  衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
3  前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。


ウ. 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。

答え : ○

→ 根拠法令は,憲法74条。法務省に関係する法律・政令なら法務大臣と内閣総理大臣が,総務省に関係する法律・政令なら総務大臣と内閣総理大臣が連署します。


エ. 被選挙権(立候補の自由)について、憲法第十五条第一項には直接規定されていないが、同条同項によって保障される重要な基本的人権である。

答え : ○

→ 根拠は,三井美唄炭鉱労組事件判決。
 たまに根拠が判例の問題が出題されますが,10点しかない憲法で判例の学習まで手を広げてしまうと費用対効果が悪くなってしまいます。
 他の資格で勉強している場合以外は,判例を根拠とする問題はおとなしく捨てるというのもありなのではないでしょうか。


オ. 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、また、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、各議院の総議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

答え : ☓ 

→ 根拠法令は,憲法58条2項。総議員ではなく,出席議員です。総議員の3分の2以上にしてしまうと,すぐ阻止できてしまいます。

(58条)  両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
2  両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

以 上

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