船ってなあに?
法律上の定義
突然ですが,実は,「船舶」をきちんと定義している法律は日本には存在しません。
たとえば,六法のうちの商法を見てみても,「本法ニ於テ船舶トハ商行為ヲ為ス目的ヲ以テ航海ノ用ニ供スルモノヲ謂フ」(商法684条1項)としか書いてありません。
書籍で調べた定義
というわけで,船の定義をもとめて文献をあさってみたところ,
①船を「水の浮力によって支えられる輸送システム」と定義している本(川崎豊彦 これだけ!船舶(第1版)2014年・秀和システム)や,
②「船舶とは,一般に「水上航行のために用いられる構造物」をいう」としている本(箱井崇史 基本講義現代海商法(第2版)2015年・成文堂),
③「船舶とは,物の浮揚性を利用して,水上を航行する用に供される一定の構造物をいう」としている本(神戸大学海事科学研究科海事法規研究会編著 概説海事法規(改訂版)2015年・成山堂)
等がありました。一番広い定義が②,一番狭い定義が①,中間が③といったところでしょうか。
これらの定義によれば,
ア 船の形をしていても,飾ってあるだけで水上航行を予定していないもの
→ いずれの定義でも船ないし船舶にあたらない
イ 丸太を削ったもので水上航行を予定しているもの
→ いずれの定義でも,船ないし船舶にあたる(多分)
ウ ホバークラフト
→ 基本的には船舶として扱われているようですが,こいつはこっそり浮いているので,物の浮揚性を利用しているのかどうかはよくわかりませんでした。実は反力か揚力支持なのでは・・・物理に詳しい人教えてください。
まとめ
法律は,およそ世の中のほとんどを広くカバーしていますが,たまに定義が規定されていないものもあります。
また見つけたら追記したいと思います!