事例の再現答案もあげ終わったのですが,今年の2次試験のときに作ったファイナルペーパー(最後のまとめ的なもの)もありましたのでアップしときますね。とても参考になったと思う書籍も書いておきましたので参考にしてください。

ファイナルペーパー

※字が汚いのはご容赦ください。

参考になった本とか

 1次試験も2次試験も,基本的に過去問を解いて検討しまくるスタイルでなんとかなりましたが,その際,参考にした本は以下のとおりです。

0 全体の方向性

 どんな答案を書いたらいいのかについては,「ふぞろいな合格答案」シリーズを参考にしました。採点要素が参考になります。
 なお,「司法試験の試験問題等がとある試験委員によって漏らされた結果,超高得点を取った人が出た」という事件があったので,私は中小企業診断士試験でも模範答案的なものや,採点基準は作成されていると考えています。

1 経営戦略

 理屈は「世界標準の経営理論」が,全体的な思考の流れや戦略の整理については「経営戦略とマーケティング」をはじめとした牧田先生の本がとても参考になりました。

2 組織論

 組織構造に関しては「マーケティング入門」の記載が,人事制度については「HRスタンダード」が参考になりました。戦略から組織構造,組織文化,具体的な人事制度までまとめた本があるとよかったですね。

3 マーケティング

 入門用としては「はじめてのマーケティング」が,調べものの際には「ゼミナールマーケティング入門」が参考になりました。

4 生産管理

 まったくなじみのない世界でしたので,ポイント図解で概要をつかんでから生産管理の基本を通読しました。

4 事例Ⅳ対策

 「30日完成」と「全知識・全ノウハウ」をやりこんだらなんとかなりましたが,ROIの問題なんかはイケカコほぼそのまんまだったらしいので,余裕がある方はこちらも読み込んでおくとより有利になれるかもしれません。

過去問は絶対にやろうね

 中小企業診断協会のサイトから10年分くらい無料で仕入れられますので,過去問は必ずやりこみましょう。「1回しっかりといたらいいよ」という人もいますが,私は何度もやったほうがいい派です。司法試験もそうですが,時間をおいて何回かやるとまた新しい発見があるんですよね。なぜか。

https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

実はまっさきに○○○○を押さえるのがコツ?

 あんまり明確に書いてあるところがないのですが,2次試験のコツの一つに,「外部環境(自社で変えられないところ)をまっさきにおさえること」というのがあるんじゃないかと思っています。外部環境が決まらないと強み・弱みも決められないし,外部環境は設問の前提となっているので,隠れた制約条件だと思うんですよね。

 なお,私は,①与件文の外部環境だけピンクのマーカーで引いてから②設問を読み,その後③設問ごとに色を変えて(例:設問1は青,設問2は緑,設問3はオレンジ,・・・等。ちなみに,なるべく入手しやすい色のマーカーがいいですよ。買えなくて困りますから。)与件文と対応させていく→④対応させたやつでがんばって考えるという作業をしだしてから,答案のクオリティが上がった気がします(模試とか受けていたわけではないのでとても主観的なものですが。)。ご参考までに。

得点開示を受けて(R3.2.28追記)

 R3.2.22(猫の日)付けで得点開示がありました。
 まったく無駄のない(笑)点数で合格できたわけですが,得点開示を受けた感想は,「ちまたで言われているような傾斜配点ではなく,点数が偏差値化されているんじゃないかな」です。

 その理由は,①1問やらかした事例Ⅱよりも2問ほどやらかした事例Ⅲの点が高いことと,②簡単なCVPをミスった事例Ⅳが69点まで行っていることです。
 ちまたでいわれているような「簡単な問題(みんなができている問題)への傾斜配点がなされている」という仮説だと,②が説明できないんですよね。逆に,点数が偏差値化されたのだとすれば,①も「他の受験生はもっとやらかしていたから相対的に浮いた」という仮説が成り立ちます。

 簡単な問題に傾斜配点がなされているように見えるのは,
 ①解ける人は簡単な問題が解けた上で難しい問題も解けている
 ②点数を偏差値化する結果,難易度にかかわらず解けていれば点数が伸びる
 ③一方で,偏差値化される結果,途中から得点が伸びにくくなる
という状況があわさった結果にすぎないのではないでしょうか。

 たとえば,素点1点を獲得した受験生から85点を獲得した受験生まで,1点刻みで85人の受験生がいたとした場合,平均点は43点,標準偏差は24.53569になります。
 この場合,
    素点 1点の受験生  → 33点
    素点10点の受験生 → 36点
    素点20点の受験生 → 40点
    素点30点の受験生 → 45点
    素点40点の受験生 → 49点
    素点50点の受験生 → 53点
    素点60点の受験生 → 57点
    素点70点の受験生 → 61点
    素点80点の受験生 → 65点
となり,素点60点あたりから点数が伸びにくくなります。これを見ると,みんなが解けた問題のうち一部しか解けず,素点が10点にとどまった受験生が36点もらえているのに,ほとんどの人が解けなかった問題まで解けた素点80点の人が65点にしかならないので,簡単な問題に傾斜配点がかかっているように見えるわけです。

 真相は試験委員でもないとわかりませんが,この仮説が正しい場合,「簡単な問題(みんなができそうな問題)から解く」のではなく,「自分が解けそうな問題から解く」というのが最適解になりそうです。
 ご参考までに。